[[Parisi「統計的場の理論」を読む]] 2 Magnetic Systems 2.1 General properties - 「場の理論」の本なのに、スカラー場とかDirac場とかからじゃなくて、 磁気的な系がスタートに理想的なんだと言い切っちゃうのがすごいですね。 磁気的な系は、多くの他の物質と関連がつけられるし、相対論的場の理論とも 関係があるからと言ってますね。 - 磁気的な系は、非常に単純なものから非常に難しいものまで、いろいろな 幅広い問題を提供すると言ってるところが、パリージ先生の好みがよく 出てるような気がする。 要素に分けてしまうとすごく簡単なものになり、でもそれが組み合わさって 誰も解けないような難しい問題があったりするとパリージ先生はすごく そそられるみたい。 - Ising モデルを習ったときに、なんか人工的に作った数学的な問題みたいな 気がしたんですけど。 - でも、ちゃんと、磁化&mimetex(\vec{S}(x)); は、電子の運動と電子自身のスピン からのもので、結晶格子を作っている個々の原子のところに電子が局在している なら、&mimetex(\vec{S}(x));というものを結晶格子上の点で考えることができるだろ うとミクロスコピックな説明が入れてあるよ。 - ハミルトニアンとして #mimetex( H(C) = H_0(C) - \int d^3 x \vec{h}(x)\cdot \vec{S}(x) ) を考えるというのはいいのですが、この節では&mimetex(H_0);の具体的な 形は問題にしないのですね。&mimetex(H_0(C));の&mimetex(C);は &mimetex(\vec{S});を含んでいるはずですが。 - 多くのことは外磁場&mimetex(h);に対する系の応答で決まるわけですね。 Appendix to Chapter 2 -- 汎関数の計算をわざわざ取り上げているんですね。何か深い意味があるのだろうか。 -- 私は汎関数の定義はここの #mimetex(F[g+eh]=F[g] + \epsilon \int dx \frac{\delta F}{\delta g(x)} h(x) + O(\epsilon^2)) では無くて、 #mimetex(\frac{\delta F[g]}{\delta g(x)}=\lim_{\epsilon \to 0} \frac{F[g(y)+\epsilon\delta(y-x)] - F[g(y)]}{\epsilon}) と勉強してたけど。(K. Nishijima, "Fields and Particles",(7-35)式) -- 同じことのはずだけど、積分形以外のときも、この定義に戻って考えたほうが確実かも。 -- あっ、そうか、汎関数は #mimetex(\displaystyle{I[g]=\int_{-\infty}^{+\infty} g(x) dx}) の積分系のほかにも、 #mimetex(F_0[g]=g(0), \hspace{8mm} M[g]=\max_{0\leq x \leq 1} g(x)) などがあるわけですね。関数から数値への写像だからもちろんこういうのもOKか。 -- なるほど、この定義に戻って、証明してみると面白い。 -- 最小作用の原理も、ある意味機械的にできちゃうわけですね。 -- 自由エネルギーは #mimetex(\Phi[p] = E[P] - \frac{S[P]}{\beta}) #mimetex(\Phi[p] = E[P] - \frac{S[P]}{\beta} \hspace{20mm} (1.18) ) を積分で書いて #mimetex(\Phi[P] = \int d\mu(C) P(C) [ H(C) + \frac{1}{\beta}\ln P(C)] ) が最小から、 #mimetex(P_{eq} = \frac{\exp(-\beta H(C) )}{Z} ) が出てくるんですね。