Parisi「統計的場の理論」を読む

第3章 The Ising Model

3.1 The model
  • モデルを作ると言うのは、パリジ先生も書いているように難しいのですね。 何でもかんでも正確にやればいいというものではないし、発展性がないのも ダメだし。物理では、プラズマ振動数のように対象を記述するいい自由度を 見つけ出すのが勝負なので、モデル構築が僕のような二流、三流の物理屋には 難しいのは当然なんですが。
  • まあまあ、いじけないで。次の(3.1)の意味をよく理解したいですね。
a math image
  • 本当は、電子と格子を作っている原子との相互作用、格子点の間の 相互作用などいろいろなものが入るはずだけど、それを積分してしま った後に、左辺が得られるわけですね。 必ずベータがこのようにファクトライズされるというのは証明できるのかなあ。 a math image の中に押し込めるという数学的な答えはあまり意味が無いし。 このボルツマンの形は情報学的に意味があるし、 a math imageはそのときの未定定数 だったから、ある程度証明できるのかもしれない。でも知らない。知らないこと が多くて悲しい。
  • スピンが格子点のところで定義できるのは、 格子間の典型的な間隔がオングストローム、電子雲の拡がりが、えーと、 すぐ言えないのは僕が二流の証拠だなあ。
  • (3.1)式で、x, C, S(x,C), S(x) は一般的なものと考えてもいいけど、 まあ、xは格子点、S(x)はそこにあるスピン変数、本当はSは単純にS(x)と書ける わけではなくて、いろいろな配位の関数でもあるはずだから、S(x,C)と書いた と具体的に考えてもいいですよね。
  • そのとき、本当のハミルトニアンはH(C)なんだけど、 Cについては見ないで 積分してしまった有効ハミルトニアンが a math imageというわけですが、 どうして(3.1)のように定義するんでしょうか。
    a math image
    としたっていいような気がしますが。
  • ええと、(3.1)のように定義しておけば、両辺をSで積分すれば、デルタ関数を積分すれば1だから
    a math image
  • えっ、だから?
  • おお、つまりこうやって作ったa math image からボルツマン因子 a math image を作って、それをSについて積分すれば もとと同じ分配関数 Z が求まるわけですね。なるほど、これ以外の定義で 有効ハミルトニアンを作っても、統計力学的にはあまり意味が無いものに なってしまうわけか。
  • 統計力学では、a math imageが確率で、確率分布はその 部分を足してもまた確率だから、ミクロに見たとき の確率をa math imageという拘束を付けて足したものが、 a math image という疎視化した確率ということですかね。
  • 少し飛んで(3.4)式 こうやっても同等だと言っても何が同等なんですか?
    a math image
    がどういう振舞をするかで相転移温度や 相転移の次数が決まるから、正方格子の場合の強磁性体と反強磁性体は 同じ相転移の様相を示す。
  • 正方といったって、長方形や、平行四辺形でもいいんですよね。 そりゃそうですね。

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Last-modified: 2006-09-02 (土) 19:10:08 (6453d)