Parisi「統計的場の理論」を読む

第3章 The Ising Model

3.2 The mean-field approximation

普通は、ハミルトニアンの中で、力学変数を平均値に置き換えてという ところから平均場は話をするのだけど、ここでは、全変数

a math image

の状態の確率 a math imageが、

a math image

とファクトライズするという近似が平均場近似だとしてスタートするん ですね。 確かに、平均場近似の本質は、一つの変数a math imageの記述にその変数と、(それ以外の ものが作った)平均外場だけで閉じて書けてしまうということなのか。

自由エネルギーが求まってしまえば、これのミニマムを探すために

a math image

から

  • (3.9) arctanhが何で出てくるんですか?
  • これはよく出てくるから、覚えておいて損は無い。
    a math image
    だから、
    a math image
    という有効ハミルトニアンを考えて、
    a math image
    になっている。
  • (3.11)の次 A=1/4はどこからでてくるのでしょう?
    a math image
    と近似すれば
    a math image
    これからm=0 あるいは
    a math image
    だから、これが解を持つためには
    a math image
    不等号が逆ですけど? あれ、どうしてだろう、、、 これ、計算してみると、Bは負ですね。だからか。
  • このとき、教科書にはbeta_c=0.357と書いてあるが、これは 0.324の間違いではないでしょうか?
  • m をグラフにしてみましょう!
mの図
  • Tc 以下では2つの解があるので、なぜ一方を選ぶかの 議論が必要ですね。
  • フリーエネルギーがそちらの方が低いはず
  • h=0の場合は1粒子あたりの自由エネルギーが(3.12)から
a math image

となるので、(s(m)は(3.8)で与えられる)

a math image
a math image
  • 自由エネルギーが最小になるのは、a math imageのとき。
  • m=0は明らかにa math imageの解になっているので、このときa math imageは極値をとる。
  • 上の式から、a math imageとなるのはa math imageのときですが、a math imageなのでa math imageとなる。よって、a math imageが1より大きい場合と小さい場合とに分けて考えなければいけない。

この、a math imageが温度ではa math imageに対応するということなのですね。

a math image
  • テキストの(3.13)式の少し前にa math imageとありますがこれは、a math imageではないでしょうか?

また、(3.13)式の次のパラグラフにa math imageとありますが、これはa math imageではないでしょうか?

  • まず、a math imageのときにはa math imageは常に正になるので、m=0でa math imageは最小値をとる。これは、温度がa math imageより高い場合に相当します。
  • 次に、a math imageのときにはどうなるか考えると、、、 m=0のときa math imageつまりmの2階微分が負になるので、m=0の解は極大値。そこで、m=0以外の解を探すと、(3.13)のようになるということですね。a math imageではm=0の近傍に解が、a math imageではa math imageの近傍に解が存在するということ。

(3.13)式のa math imageにおいては、a math imageのときa math imageの2階微分が常に正になるので、このa math imageでの解が最小値になります。

  • h=0, D=2(2次元)のときのa math imageを図示すると、このようになります。
  • a math imageの時、
High temperature
  • a math imageの時、
T=Tc
  • a math imageの時、(ここだけスケールが違います)
Low temperature
  • なるほど、これはおもしろい。a math imageのときは a math imageは3カ所でゼロを切るけど、a math imageではゼロを切るのは一点なんですね。
  • これは外場 h がゼロの時だけど、ゼロで無いときも、この図からすぐ様子が見えるね。
  • 平均場から得られる結果をまとめたのが、式(3.14)ですね。
  • 外部磁場h=0のときは、キューリー温度a math image では磁化はゼロ a math image で、内部エネルギーもa math image
  • a math image より下では、対称性の自発的破れが起こって a math imageの2つの値で自由エネルギーは最小になる。
    a math image
  • a math image だから、
    a math image
  • ここでa math image
a math image
  •  と書けば、臨界係数の1つ a math image が求まって、それは1/2。
  • あれ、温度依存性は分母のa math imageもありますけど。
  • &mimetex(T_c)の近傍ではその項は滑らかにしか変化しないので無視。 下からキューリ温度(相転移温度)a math image に近づいていくと、磁化は a math image でゼロになり、その後はずっとゼロだから、 a math image で連続だけど、微分は不連続になる。こういう振る舞いを問題にしているから、滑らかに変化する項は無視。
  • 2Dって、自分の前後左右にいくつ相互作用するお隣さんがいるかっていう数ですよね。それが丁度キューリー温度になるんですね。
  • 帯磁率はa math imageで、a math image だから、さっきと同じように計算して
    a math image
  • こういう相転移での振る舞いのだいたいの様子が平均場ででちゃうんですね。
  • a math imagea math image のときに
    a math image
    というのが出せないんですけど。
  • 自由エネルギーの1階微分をゼロにするところが実現しているわけだから、hが入った場合に計算して
    a math image
  • これがゼロだという式は書いたんですが。
  • 途中でやめない。
    a math image
    logの展開は知ってるよね
    a math image
    a math image
  • 公式集を見れば、、、
  • これは公式集を見なくたって出せる。これは知ってる?
    a math image
  • 馬鹿にしないで下さい。
  • これの両辺を積分すれば上の式。これを使えば、
    a math image
    右辺の第1項はゼロだから a math image つまり
    a math image
  • うーん、最初の項はゼロになるから、次の項まで計算しておかないといけないのか、、、
  • 僕は次が分からない。「このようにして、我々は自由エネルギーに対する厳密な上限を導いた」とあるんだけど、なんでこれが上限の証明になるんだろう。次の(3.18),(3.19)から導かれる(3.16)から(3.20)が導かれて、これは厳密な自由エネルギーの上限になると思うんだけど。このステートメントは、ここじゃなくて、(3.20)式の次に入るべきじゃないのかなあ。誤植じゃないかなあ。
  • 図書館に行って日本語訳を見てきましたが、原著のままですね。翻訳した人は特に問題だとは思ってないみたいですよ。
  • うーん、僕の勘違いかなあ。
  • でもここは、(3.18)のa math imageは明らかにa math image の誤植だし、ミスもあるんじゃないですか。
  • そういえば、28ページの真ん中あたりの a math image も、a math image の誤植だろうということでしたよね。
  • これは原稿がa math image って書いてあったんでしょうね。
  • それじゃ、(3.20)の証明にいきましょうか。あっ、時間が無い。それではまたあとで。

添付ファイル: filechap3-2-freeengL.jpg 1445件 [詳細] filechap3-2-freeengM.jpg 1359件 [詳細] filechap3-2-freeengH.jpg 1560件 [詳細] filechap3-2.jpg 1302件 [詳細]

トップ   編集 凍結解除 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2006-11-02 (木) 01:46:42 (6393d)