Parisi「統計的場の理論」を読む

3 The absolute temperature

  • この節でミクロとマクロの間の関係がついて、a math imageと言えるようになるわけですね。
    どうも学部の授業で勉強したときには熱力学と統計力学の一番基本的なところの関係がいまひとつすっきりしなかったので、どういう論理で組み立てれているのかしっかり理解したいですね。
  • まあ、学部で教わるときは、問題意識がまだ希薄だということもあるし、教える方が全員ちゃんと分かっているとは限らないし、、、
  • 熱力学の第一法則から
    a math image
  • この熱量の変化 a math imageは完全微分ではないけど、第2法則から
    a math image
    と Tで割れば、マクロスコピックエントロピー(熱力学で定義されるエントロピー) a math imageの完全微分にすることができる。
  • これが絶対温度の定義! そうだったのかあなどと今頃言ったらいけないんでしょうね。
  • 秀才は習ったことがみんな頭に入っているかもしれませんが、鈍才は何度も勉強すればいいんです。いろいろ研究の現場を経験したあとにまた勉強すると、そうだったのかあと思うことが多いし。
    それに、100メートル10秒で走れる選手も50歳ではそのスピードでは走れないように、記憶力も歳を取ると落ちる。若いこと記憶力がすごくよかった人は、そうなったときにショックを受けて、もう第一線で戦えないんじゃないかと思うみたいだけど、ぼくみたいにもともと記憶力があまりよくないと、別にどうってことはない。
    歳を取って時間を確保するのが大変だけど、別に仕事をする力が落ちたような気はしません。昔と同じように一人ですべてやっています。
  • それは学生も助手もいない劣悪研究環境の研究者の負け惜しみ?
  •  負け惜しみじゃなくて、心理学的には「すっぱいぶどう」じゃないの。
  • 話がずれてます!
  • ここで、a math image に対して、
    a math image
    を示せれば、a math imageを完全微分にするファクタa math image が見つかり、それはmultiplicative factorを別にすれば本質的に一つしかないはずなので、
    a math image
    が言え、またその結果から、additive constantを別にして
    a math image
    が言える、というのが論理的な構造ですね。
  • はい、(1.22)を示します。あっ、時間だ。
  • えーと、まず系に対して仕事をするには、ハミルトニアンはその仕事のcontrol parametera math imageに依存しなければならないので、
    a math image

また、

a math image

(1.19)からa math imageなので、

a math image

これで(1.22)を示すことができたということですよね。


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Last-modified: 2006-06-07 (水) 20:21:39 (6540d)